書家・筆じめっせい字屋 芭弥汰句(ハヤタク)

言葉の力、アートの力で人の心を変えていきたい。心のスイッチを入れる言霊筆で綴ります。

弟がコ〇ナワクチンを打った次の日に亡くなりましたpart3

time 2021/06/21

積み上げたブロックを弟1に崩されて泣く私

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枕経

日本式仏教では宗派によって違いはあるが人が亡くなるとお坊さんを呼んで故人の枕元で浄土への導きのためにお経をあげてもらうのが一般的かと思います。

弟1が亡くなり彼の家に搬送された後、夜に差し掛かるころだっただろうかにお坊さんに来てもらった。そのお坊さんのお寺は私たち兄弟が生まれ育った町にあるお寺であり、先代の住職からよく知っていて子供のころからよく足を運んでいたお寺だった。

弟1は小さな子供の頃にそこのお寺によく出入りしていて可愛がられていたらしい。お寺のおばあちゃんからよくお供えのお菓子をもらってきていたらしい。ひょっとしたらそれを目的に行っていたのだろうか。しかし、そんなことも魂のご縁のなせるワザだと思っている。

私たちが子供のころはまだ跡取りの若坊主だった住職は随分歳を取っていた。中年になった私たちより年上だったはずだから当たり前ではある。ウチのお坊さんは瘦せていてツルツルの坊主頭でお坊さんらしいお坊さんだ。だから子供のころのお坊さんのイメージそのものだった。初めて髪の生えたお坊さんを見た時は驚いたほどだ。

さて、枕経はよく聞き慣れたお経だった。きっと彼にとってもそうだったのだろう。それまで私は一滴たりとも涙が出ていなかった。気丈に振る舞っていたのか、何も受け入れられなかったのか分からないけど泣くには至っていなかった。他の人の悲しむ姿を見て自分は冷たい人間なのだろうかと思えた。

枕経の途中で彼は今どこで見ているだろうか、どこかに感じないだろうかと思ってお経を聞きながら周りを見ていた。そんな時に私は彼が自分の死を受け入れたことを感じた。別に信じなくても構わない。想いは自分の中にしかないのだ。

彼は霊感体質だった。彼が病院に就職したころ、まだ彼は夜勤のある仕事をしていて夜勤の途中で色んなことがあったことを聞いていた。そんな仕事が嫌だったのだろうか、彼は数年後に資格を取り同じ病院で事務職に転身して亡くなるまで勤め上げることになる。

転職を繰り返して自由職になった私とは真逆のような生き方をしていた。そんな霊感体質の弟1の何分の一かの霊感が私にもあるようだ。今まで時々感じることがありシンクロするような出来事がそれなりにあったからだ。

枕経のお経が頭の中に響き、私は彼が自分の死を実感したのを感じた。受け入れたというか理解したというかそんな感じだった。

私は否応もない感情に襲われた。そこから私は涙が止まらなくなった。自分の悲しみよりも彼の悲しみを感じた。

不思議な感覚だった。

葬式

お通夜とお葬式にはウイルス騒動の最中にも関わらず会場から溢れるほどの参拝者だった。当初、こんな時なので小さな会場で大丈夫かもしれないということだったが弟1の人間性を思うと沢山来るはずだと主張し大きな会場にしてもらった。小さな会場だったら大変だっただろう。

お通夜の参拝者の見送りは礼の回数が多くて軽く腰痛になった。会場に並んだ花輪の数はどこかの社長が亡くなったのかというほどだった。勤め先の方や、取引先の人たちの数の多さからも如何に弟1が愛されていたかを知らされ誇らしかった。私はいつも親のことや実家のことで彼を頼りにしていた。彼がいたから安心していた。きっと仕事場でもそうだったのかもしれない。

焼き場で荼毘に付された彼の骨は太く大きかった。それまで老人か病人の骨しか拾ったことがなかったので健康な人の骨はこうなのかと驚いた。因みに私より彼の方が少しだけ背が高い。私に実際に会った人は分かるが私は181センチほど身長がありいつも大きいと言われていた、でも弟をはじめ親戚に同じくらいの背丈の人は沢山いたのでそれほど思ったことは無い。でも彼の骨を見て大きいなと思った。

骨壺に収めるために骨を砕き押し込むのが大変だった。

「ガッ、ガッ、ガッ」

骨を砕く乾いた音が響く。悲しい音だ。私と弟2で交代で必死になって砕いた。なんだか分からない怒りの気持ちで骨をゴリゴリと突き続けた。早く終わらせたい。でも、これで終わりなのか。暑い。腕がダルイ。これを弟1はどんな気持ちで見ているのだろう。複雑な気持ちで骨壺の骨を突いた。

骨上げ法要も終わり、彼の骨と位牌ともに彼の家に帰した。

大量の花に囲まれた彼の写真を見てなんとも言えない受け入れがたい気持ちだった。

たぶんあの場にいた全員がそうだったと思う。

彼はなぜ死んだのか?

弟1はワクチンを打った次の日に死んだのは間違いない。彼の死後、落ち着いたら私たち遺族はそのうち病院から説明があって厚生労働省の報告にあげるものだと思っていた。しかし、何日経っても病院からのアクションは無かった。

なんだかおかしい。遺族のみんなが思っていたと思う。兄弟、義兄弟のメッセージグループのザワザワ感が物語っていた。みんなで厚生労働省の報告をチェックして共有していた。世の中では色んな憶測が出だしていた。だから明確な情報をもらえない私たちは色んな想像を張り巡らしていた。厚労省の報告書が更新されても弟1の症例は出てこない。弟の後の症例は次々とアップされていたし、第一に弟より遥かにワクチンと関係ないだろうという死因も含まれていた。あれを見る限り普通の人なら因果関係ある無しに関わらず報告は上がるものなのだと思うはずだ。

しかし、そこにはあるカラクリがあることが後々病院とのやり取りで分かることになる。病院からの何のアクションも無いので、病院や役所が隠蔽していると言い出す人も出てきた。憶測や噂話はこんなところから始まるのだろうと思う。情報不足を人は想像で補うのだ。そして、人は直接の情報が少ないほど悪い方に受け取るものだ。

そんな感じだったので遺族みんなの心にモヤモヤが溜まっていた。それから私たちは色んな情報を調べ出した。彼が死ななければならなかった理由が欲しかったのだと思う。みんな納得できる理由が欲しかったのだ。

そこから色々動き出すことになった。遺族それぞれの想いはさまざまで交錯しながらも、それ以上に世の中は動き出していた。

人目につくような噂話は拡がっていきやすいモノだ。どこからどう伝わっていくか誰も制御はできない。

そうやって私たちはちょっとした波に巻き込まれていくことになる。

弟がコ〇ナワクチンを打った次の日に亡くなりましたpart2

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芭弥汰句

ハヤタク

ハヤタク

職業:書家、デザイナー、WEBプランナー
何だか元気の無い世の中になってませんか?大人たちは未来に悲観し、子供たちは夢を持てない。特に北海道にいるとそう感じざるを得ません。一人一人の気持ちが変われば世の中は少しづつ変わっていくと信じています。そのためにみんなの心のスイッチを入れたい!そんな思いで筆じめっせい字屋として活動しています。
書筆、筆ペンなどを使った絵も書いてます。
北海道内で各種イベントなどで書き下ろししてます。。
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