2022/01/07
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肌寒い春分の日だった
あの日、北海道の春にはまだ遥か遠い肌寒い春分の日でした。
いつも通り、自宅でパソコンの前で仕事をしていた私は母親から悲痛の叫びにも近い電話を受けました。
「〇〇(弟の名前)が・・・(中略)心臓が止まってる!早く病院に来て!」
急に気が動転してハッキリとは覚えていないがそんな感じの電話だったと思う。
物凄い速さで準備をし妻とともに弟の勤め先だった病院に急いで向かった。
急いではいたがいつも以上に安全運転だったと思う。
なんとなく既に間に合わないことを感じていたのかもしれない。
病院につき駐車場に車を入れたが、救急の入り口がよく分からずにキョロキョロしていた。
こんなことをしている場合ではないと、なんとなく歩き出すと建物の角から義理の妹の兄が出てきた。
彼は私を見つけると顔を曇らせ絶叫にも似た声で叫んできた。
「タクー!(彼は私のことをいつもタクと呼ぶ。)○○が死んじまったーー!!」
そんな感じで弟の死を知らされた。
自分の脈拍が上がるのを感じ、急いで病院の救急窓口に吸い込まれるように入った。
死んでるでるんだぜ。それで・・・。
中に通されると悲痛な顔の弟の奥さんと私の両親がいた。
もう一人の弟はまだ来ていない。(私は3人兄弟の長男)
ややこしくなるので死んだ弟を弟1、もう一人の弟を弟2とします。
その時に家族にどう声をかけたか、かけられたかまったく記憶が無い。
とにかく弟1が死んだのは間違いないようだ。
その時、私は冷静にならなければならないというよく分からない責任感にかられた。
看護師さんが弟1のところに私と妻を案内してくれた。
弟1の奥さんと私の両親はすでにお別れをしたあとだった。(果たしてこれをお別れと言うのかは分からないけど)
清潔な冷たい壁の部屋にストレッチャーに乗せられた息絶えた弟1が横たわっていた。
老人か病人の死に顔しか見たことがなかった私にとっては驚くほど綺麗で寝ているような顔だった。
漫画タッチの和也が死んだときに和也の兄の達也が南ちゃんに向かって言った。
「きれいな顔してるだろ」
「ウソみたいだろ」
「死んでるでるんだぜ。それで・・・。」
そのシーンを思い出した。(嘘です。今、思い出した。でもそんな気分だったのは間違いないです。)
久しぶりに彼の身体に触れた。
まだ、暖かい。おかげで死んでる実感が湧かない。
手を握った。
私と同じ男らしくない柔らかい手だった。
四十数年ぶりに彼の手を握ったと思う。
不思議と涙は出なかった。
なんとも言えない感覚だった。
大動脈解離
待合室に戻るとドクターからお話しがあるということで家族と共に救急の診察室に通された。
ドクターとパソコンのモニターを中心に私たちは半円に席に着いた。
救急の診察室にその人数は狭く感じた。
ドクターはCTの輪切りの画像を見せながら詳しく説明を行った。
この人は、弟1のことを知っているのだろうか、話しをしたことがあるのだろうか。
そんなことを想いつつも言葉を聞き逃すまいとして真剣に聞いた。
今まで生きてきた中でも上位に入るくらいの真剣さで話しを聞いた。
弟1の死因は大動脈解離により心臓と肺の周辺に急激に出血したことによる心タンポナーデということだった。
初めて聞く言葉だった。
海外ドラマのERとグレイズアナトミーとシカゴホープにハマって観ていた時代があるので本当は聞いたことがあるかもしれない。
自分が生きる上で関係ない言葉は忘れるモノだ。だから分からない。そんなことはどうでもいい。
その時、ドクターから解剖の話しは出なかった。
私も冷静なフリして通常の精神状態ではなかったのだろう。
解剖のことは思いもしなかった。
弟はコロナワクチンを打っていた
どの段階で話しを聞いたのかは定かではない。
弟1は前の日にワクチンを打っていたと聞いた。
そして、次の日は休日で朝から背中が痛く当番医の整形外科へ行くも原因が分からず帰ってきて倒れたらしい。
死亡診断書を見る限り家にまだいる時に、もしくは運ばれる時にすでに心配停止だったようだ。
心タンポナーデでは心臓マッサージやAEDもやるだけ無駄で心肺停止が長かったので病院についた時はすでに手遅れだったのだろうと思う。
素人考えなので素人の想像の範囲内でしかないけど、誰も救うことが不可能だったのだと自分に言い聞かせている。
さて、弟1が亡くなる前の日にコロナワクチンを打っていたことがこの後、ひと騒動となる。
まったく面倒な死に方をしてくれたものだ。
お陰で色んな経験と必要以上に思考を巡らせ行動することとなった。
他の遺族感情や個人情報もあるのであまり詳細を語れないところもあるかと思いますが少しずつまた書いていきます。
弟がコ〇ナワクチンを打った次の日に亡くなりましたpart3
弟がコ〇ナワクチンを打った次の日に亡くなりましたpart1